夢やゴールを見つける前にやること

Ava Sol

誰でも思いのままの人生を歩んでいる?

京都の北野天満宮の梅林には1500本の梅の木がありますが、その中には『思いのまま』という品種があります。一つの枝に紅白の花が咲くという珍しい品種です。

皆さんは、すでに思いのままの人生を歩まれています。しかしそれは、表面的に思っていることではなく、潜在意識の思いのままの人生です。

自分が本当にやりたいことを実現するには、自分が本当にやりたいことを明らかにし、顕在意識と潜在意識でそれを統一する必要があります。

自分が何をしたいのか、自分の本当に求めているものが何か、よくわからないという場合は、主に次の3つの原因が考えられます。

・余計な情報が多すぎる
現代社会に生きる私たちの周りには、スマホ、テレビ、ラジオ、インターネット、
通勤電車の吊り広告、街の看板などあらゆるところに情報が溢れかえっています。
しかし、それらの多くは、皆さんに直接関係のあるものではありません。

・情報が整理できていない
部屋のかたづけと同じで、まず不要な情報をシャットアウトし、メモやノートを
使って頭の中を整理しましょう。これには手書きがオススメです。

・自分の求める分野の知識と経験が少なすぎる
自分の本当に求めることを実現できていないという人は、それに関する知識と経験が圧倒的に少ないです。自分の関心のある知識を集め、行動しましょう。

まず最初に自分の身の回りの余計な情報から離れて、自分の意識の内側を見つめることが大切です。

Appleのスティーブ・ジョブズとライバルでもあったMicrosoftのビル・ゲイツ元会長は、1980年代から年に2回ほど「Think Week(考える週)」というのを設けているそうです。

その間、社員だけでなく友人や家族とも連絡を取ることを禁止し、意識的に全てから遮断された状態を作り出し、気持ちをリセットして一人になり、夢や目標についてじっくり考えることを習慣にしているそうです。これは休暇とは違います。

普通の生活をしている私たちは、こういったまとまった時間を過ごすことは難しいかもしれません。しかし日々の生活の中でもプチThink Timeを設けることはできます。

アナログな手書きが良い理由

私は毎朝5時半頃に起き、朝食を摂る7時過ぎまでの間、ゆっくり白湯を飲みながら思索したり、瞑想する時間に当てています。そこで出てきたアイデアは、すぐにメモします。考えをまとめ、自分の思考と行動を方向づける大切な時間です。

最近、メモやノートに関する本も巷で多く見かけるようになってきました。特に『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』『メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)』の2冊は有名です。

 

この2冊で紹介している手法もスマホやパソコンは使わず、アナログなノートやメモに手書きが基本です。考えをまとめたり、自分の本当の気持ちを引き出すには、手書きのほうが良いのです。

手書きのほうがより脳の言語処理の部分が働き、自分の考えや記憶に直結しています。一説では、パソコンで入力するキー操作に必要な指の動作は、たった8種類、これに対して手書きの場合は1万種類もあり、それに応じて活動する脳の領域も多くなるそうです。

皆さんも小学校の時に漢字を覚えるために「漢字ドリル」をやった経験があると思います。漢字を覚えるためには、パソコンで入力してもなかなか覚えられません。手書きでひたすら練習するしかないのです。

手書きとデジタル入力によって、記憶に与える影響の違いについて、学術的な研究もされています。

ノルウェーのスタヴァンゲル大学とフランスのマルセイユ大学で、手書きとタイピングの2つグループに分けた実験では、20文字の無意味な文字列の暗記において、3週間後と6週間後にその文字列を思い出すスピードと正確さを調査したところ、手書きグループのほうが優秀な結果を示したそうです。

手書きをしたほうが五感も刺激されます。ノートの紙の感触、インクの匂い、ペンを持つ手の感覚、文字を書くときの音、文字を書く時の手指の筋肉の動きなど。

キーボードの入力と手書きでは、情報をより多く覚えているだけでなく、アイデアも多く出したという実験もあります。

心理学者のバージニア・ベーリンガーさんの実験では、子供たちを手書きとタイピングの2つグループに分け、アイデアを出させる研究をしたところ、手で書いた子どもはタイピングした子どもよりも、より多くの言葉やアイデアを出したという結果が得られました。

文字を手で書くという行為は、ほかのことでは使われない脳の領域も刺激するので、創造力も目覚めるようです。

このため、より多くのアイデアを出したり、自分が本当にやりたいことを見つけるためにも手書きのほうが良いのです。

ノートに手書きをした場合とパソコンにキーボードで入力した場合の目標達成率の比較をした研究もあります。ドミニカン大学カリフォルニア校のゲイル・マシューズ教授の300名近い参加者の実験では、目標を手書きにしただけで達成率は42バーセントも上昇したそうです。

また手書きの文字には、文字としての情報以上のあなただけの情感も入ります。「人間だもの」とパソコンの画面で打ち込んで見ても、あ〜そぉですか、という感じですが、あいだみつおさんの文字で見ると文字を超えた何かを感じますよね。

ちなみに私の場合、日頃の「ToDoリスト:やることリスト」は、iPhoneのメモアプリを活用しています。チェック欄を頭に付けて、完了したものにチェックを入れると自動的に下に並べ替えてくれたりして便利だからです。しかし、ToDoリスト以外は、手書きです。

Cover Photo by Ava Sol

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