自然と密接な人の身体
人の身体は、自然界の音と密接な関連があります。そもそも私たちも大自然の一部ですから、考えてみれば当たり前のことかもしれません。
現代では多くの人間は都会に住むようになり、大自然の音というと風や雨の音ぐらいしか聴かなくなってしまいました。しかし、人間の脳は数万年前からは、ほとんど進化していないと言われています。 数万年前の人の脳を直接調べることは出来ないので、頭蓋骨から脳の大きさを割り出し、そのように言われているのでしょう。
厳密には数万年前より脳の使い方や働きは進化しているかもしれません。しかし仮に私たちの脳が数万年前からそれほど変わっていないと仮定すると、それは五感のうち、聴覚にも当てはまるのではないでしょうか。
現代人は、多くのストレスを感じていると言われますが、その一つの原因が聴いている音の周波数が限られており、また自然のゆらぎの少ない機械的な音が多いこともあると考えられます。
波のリズムで身体の調和を
自然界の音と人間の身体は、リズムに関しても連動しています。
たとえば、寄せては返す海の波は、だいたい1分間に18回。これは人間の呼吸の回数とほぼ同じです。
厳密には成人の安静な時の呼吸は、平均すると1分間に16〜18 回(吐いて吸うで2回とカウント)、睡眠時には12〜15回。子供は成人よりは多く、1分間に20回程度です。
また18回の倍の36回をさらに倍にした1分間に72回は、人間の脈拍数とほぼ同じになります。呼吸と脈拍は、海の波と倍数のリズムで調和しているのです。
体調の悪い時や、感情的に乱れている時、呼吸は浅く、早くなります。波の音の音源などを聴きながら、ゆったりとした気持ちで、波の音に身を任せ、深い呼吸をしてみるといいかもしれません。
1分間に8回程度のゆっくりとした呼吸数から、徐々に呼吸のリズムを上げ、目安として4秒で吐いて、3秒で吸うぐらいにすると、だいたい寄せては返す波と同じ1分間に18回になり、乱れていた感情も収まり、気持ちも穏やかになります。