人工的でも好きになれる音がある

Maserati Quattroporte

高級車のエンジン音は高級ヴァイオリン並?

自然の川のせせらぎの音、小鳥たちの声などは、聴いていて心地よいものですが、人工的な音でも特にこだわって作り込まれた音は気持ちを高揚させたり、好きになれます。

もしも予算と駐車スペースが自由に使えるなら、どんな自動車が欲しいかというと、私はマセラティQuattroporte に乗ってみたいです。イタリア車だからとか、性能がどうのこうのというのは、ほとんど考えたことも無く、エンジンの音が好きだから、という単純な理由からです。

街で走るマセラティを見かけ、またマセラティの動画サイトでQuattroporteのエンジン音を聴いて、惚れたのです。しかし1,200万円以上もするQuattroporteをキャッシュでポンと買えるほどの余裕はまだありませんし、今の家の駐車スペースには収まりそうにないので、まだ自分で乗り回してはいません。Ghibliというモデルだと1,000万円以下でありますが、それでもなかなか高価です。

 

実は、私がマセラティのエンジン音に惚れた理由を説明出来る科学的な計測を行ったチームがありました。中央大学理工学部音響システム研究室と静岡県磐田市のサウンドデザインラボ合同会社が2012年夏に「エンジン音と弦楽器の音には共通点が多い」という研究結果を発表しているのです。それによると、なんとバイオリンの名器ストラディヴァリウス(1971年製のロマノフ)の演奏音とマセラティのエンジン音には次のような共通点が見られたそうです。

  1. 主観評価として、迫力があり、想像力をかきたてる音
  2. 客観評価として、脳を活性化させる効果がある音
  3. 物理評価として、音響特性として、明瞭な整数次倍音のある音
高級車・マセラティとヴァイオリンの至宝・ストラディヴァリウス。音色に隠された意外な秘密 | BARKS
高級車・マセラティとヴァイオリンの至宝・ストラディヴァリウス。音色に隠された意外な秘密

マセラティのサイトにもその報告があります。特設サイトは、残念ながら現在は見ることが出来ませんが、BARKSの記事を紹介しておきます。またサイトでQuattroporteのエンジン音を聴くことは出来ます。

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単純に聴いていて気持ちが良いという気分的なものだけではなく、音響特性などからも説明がつくようなのです。まぁ、人によって好みもあると思いますが、私は子供の頃からバイオリンなどの弦楽器の音が大好きなので、Quattroporteのエンジン音も好きなのかもしれません。

マセラティジャパンが2013年3月にバイオリニストの千住真理子さんを招いて催したイベントでは、千住真理子さんは、共鳴するという点でマセラティとストラディヴァリウスはとても似ている、と語られたそうです。

自動車メーカー各社の取り組み

実際のところ、フォードやボルボ、トヨタや日産などエンジンの音をチューニングする専門家がいる自動車メーカーも少なくありません。ドアの音の専門家がいるメーカーも結構あるそうです。

最近では、ハイブリッド車や電気自動車が少しずつ増えてきて、ほとんどエンジン音がしない自動車も街でよく見かけるようになりました。静かで良いという反面、後ろから自動車が近づいてきても気付きにくいという弊害もあります。ただ、これからは世界的に電気自動車へとシフトしていくことは間違いないようですが。

ちなみに日本のトヨタから派生しているレクサスの新型レクサスLCは、1,300万円とマセラティQuattroporteより高価だったりしますが、実はハイブリット仕様車よりV8エンジン車のほうを選ぶ人のほうが倍以上多いそうです。V8エンジン車を選ばれるかたは、皆さんスタートボタンを押した直後のV8エンジンの音に直感的に魅かれるみたいですね。

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